春耕俳句会は、有季定型の俳句と和楽の心で自然と人間の中に新しい美を探求します。第五感・第六感を働かせた俳句作りを心がけます。
連載記事 - 月刊俳句雑誌「春耕」掲載

はいかい漫遊漫歩(90)(91)2018年7月号

「草苑」を主宰し、第1句集『月光抄』から最終句集『草影』まで10句集と俳書、随筆集など多くの著書を残して平成16年(2004)に90歳で逝った桂信子。草苑」創刊と同時に参加、師事し、8 年後から編集長を務めた宇多喜代子が、34年の長きを師に寄り添った視点で選んだ104句に句解を付し、刊行した『この世佳し――桂信子の百句』(ふらんす堂)を引きながら書く。 〈 窓の雪女体にて湯をあふれしむ 〉について同性の宇多の句解は、〈 「あふれしむ」が、若々しい女体の量感を感じさせる。窓の向こうは雪、そんな冬夜のひとときである。戸外は静かなる時間であるのに、浴室には湯をつかう生命感にみちた動の音が溢れている。〉と記す。

自由時間 (61) 2018年6月号

 ウィーンから西へ汽車で1時間半のところに、オーストリア第三の都市リンツ(人口20万人)がある。リンツでローカル線に乗り換えて、東へ20分戻ると、マウトハウゼン駅に着く。田舎の小さな駅だ。駅からドナウ川沿いに4㌔ほど遡った丘の上に、マウトハウゼン記念館がある。ナチスのマウトハウゼン強制収容所の跡である。

曾良を尋ねて(106) 2018年6月号

曾良は別行動をとり芭蕉の『細道』の先々で周辺の集落の暮らしぶりを調査していたと思われる。 そして芭蕉の『細道』にかかる費用も工面していた。

鑑賞 「現代の俳句」(121)2018年6月号

友二忌やビターショコラの一かけら   鈴木しげを[鶴]

枕草子のおもしろさを読む(13)2018年6月号

この「うつくしきもの」章段の子どもたちは、まだ、人見知りをしない赤ちゃん、4、5歳の女の子、6、7歳の殿上童、そして学問をはじめたばかりの、変声期以前の男の子の愛らしさをそれぞれに描き分けて行く清少納言は、子ども好きの一面を持っていたらしいことが知られる。しかも、その筆法は、簡潔で、生き生きととらえられていて、実にみごとであると思われる。

はいかい漫遊漫歩(88)(89)2018年6月号

反写実的、幻想的、暗喩、提喩、換喩、多彩なイメージ表現で寺山修司、岡井隆とともに「前衛短歌の三雄」と呼ばれた歌人、塚本邦雄。日本現代詩歌文学館(岩手県北上市)で開催された「塚本邦雄展」の折、収蔵の遺族寄贈の遺品の中から『火原翔 俳句帖』と表記された大学ノートの自筆句稿が館員によって偶然発見された。

自由時間 (60) 2018年5月号

3月末から4月上旬にオーストリア・ハンガリーを旅した。名所旧跡や世界遺産を観て感動する。それはそれで意味のあることだが、それだけではなく、世界には多様な文化・風俗があること、世界にはいろいろな価値観を持つ人がいることを、身を持って体験する。そうしてわが内なる世界が広がる。

曾良を尋ねて(105) 2018年5月号

芭蕉と別れた曾良は1日約45キロを踏破。芭蕉が後日訪れるであろう宿場16か所を3日間で踏破した。とても 病んでいるとは思えない脚力であった。

« 1 57 58 59 80 »
PAGETOP
Copyright © 春耕俳句会:Shunkou Haiku Group All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.