春耕俳句会は、有季定型の俳句と和楽の心で自然と人間の中に新しい美を探求します。第五感・第六感を働かせた俳句作りを心がけます。
連載記事 - 月刊俳句雑誌「春耕」掲載

枕草子のおもしろさを読む(15)2018年8月号

夏という季節と赤色との組み合わせは、中国思想の、宇宙の万物を作る木・火・土・金・水という五つの元素に基づく陰陽五行に関わるものであることは、すでに貴族社会で共有された知識と教養であったろう。古代の知識を基盤として、その共同幻想としての夏の色と赤のイメージがここに共有されたのである。このような観念的な色彩感覚も、『枕草子』世界を構築する要素の一つと思われる。

はいかい漫遊漫歩(92)(93)2018年8月号

 SF人気作家、眉村卓が、がん闘病中だった愛妻に聞かせるために毎日1話ずつ約5年に渡って書き続けたショートショート『妻に捧げた1778話』(新潮新書 初版04年刊)が、書店で平積みの“第2次ブーム ”になっている。 新書は1778篇から19篇を選び、妻の闘病生活を含む40余年にわたる結婚生活を振り返るエッセイを加えた〈 風変わりな愛妻物語〉仕立て。 平成30年8月15日は73回目の終戦記念日。コラム子の怖ろしくも奇妙な体験。

自由時間 (62) 2018年7月号

ウィーンから西へ300キロ、電車で2時間20分のところに、ザルツブルクがある。「塩の城」という意味である。昔、岩塩の集散地であったことからその名がある。ドイツとの国境まではほんの数キロだ。人口は15万人の小都市だが美しい街で、中世からの街並みを残す歴史地区と教会や宮殿などの歴史的建造物がユネスコの世界文化遺産に登録されている。それだけでも十分であるが、その他にも世界中の観光客をひきつけてやまないものが色々ある。

曾良を尋ねて(107) 2018年7月号

芭蕉と曾良の奥の細道の旅は太平洋側を水戸藩が見守り象潟よりは大垣藩が後ろ盾になって見守っていたと考えられる。芭蕉の出身の津藩は軍事力強化に力を注いでいて幕府にも信頼が厚かった。このことも各地を隠密に情報収集出来た所以であるといえるであろう。

鑑賞 「現代の俳句」(122)2018年7月号

粽解く紐の青さも他郷かな  藤本美和子[泉]

枕草子のおもしろさを読む(14)2018年7月号

京都の夏は格別に暑いと言われる。風の出入りが少なく、あっても昼間は大阪平野から吹き込む暑い南西風となる。この地形による京都特有の蒸し風呂のような暑さは、平安の昔からほとんど変わることがないという。『枕草子』には、盛夏の暑さを描いた章段がいくつかある。その中で、ひときわ異彩を放つ「いみじう暑きころ」(208段)という章段がある。

はいかい漫遊漫歩(90)(91)2018年7月号

「草苑」を主宰し、第1句集『月光抄』から最終句集『草影』まで10句集と俳書、随筆集など多くの著書を残して平成16年(2004)に90歳で逝った桂信子。草苑」創刊と同時に参加、師事し、8 年後から編集長を務めた宇多喜代子が、34年の長きを師に寄り添った視点で選んだ104句に句解を付し、刊行した『この世佳し――桂信子の百句』(ふらんす堂)を引きながら書く。 〈 窓の雪女体にて湯をあふれしむ 〉について同性の宇多の句解は、〈 「あふれしむ」が、若々しい女体の量感を感じさせる。窓の向こうは雪、そんな冬夜のひとときである。戸外は静かなる時間であるのに、浴室には湯をつかう生命感にみちた動の音が溢れている。〉と記す。

自由時間 (61) 2018年6月号

 ウィーンから西へ汽車で1時間半のところに、オーストリア第三の都市リンツ(人口20万人)がある。リンツでローカル線に乗り換えて、東へ20分戻ると、マウトハウゼン駅に着く。田舎の小さな駅だ。駅からドナウ川沿いに4㌔ほど遡った丘の上に、マウトハウゼン記念館がある。ナチスのマウトハウゼン強制収容所の跡である。

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