2021年7月(通算504号)
棚山波朗名誉主宰・ 蟇目良雨主宰 作品●2021年7月号(通巻504号)
2021年7月1日 2021年7月(通算504号)
命あるものより空蟬長らへし 棚山波朗 疫病(えや み)より恐し虎魚の毒の鰭 蟇目良雨
自由時間 (97) 2021年7月号
2021年7月1日 自由時間
7月の京都は、祇園祭一色になる。その山鉾の豪華絢爛な飾り物はてっきり純和風のものだと思っていたが、舶来の、見るからに高価そうな古い絨毯やタペストリーが山鉾を飾っているのである。ヨーロッパでは幻とされる古い絨毯や、重要文化財に指定されているタペストリーが山鉾に懸けられているのである。祇園祭が「動く美術館」と呼ばれる所以である。
曾良を尋ねて(143) 2021年7月号
2021年7月1日 曾良を尋ねて
旧暦5月22日は河合曽良の命日であり「さみだれ忌」や「あぢさゐ忌」として今日曾良の偉業を偲んでいる。 この命日の後も榛名山で生存していたとしても、修験道を極めんとしたもはや別の名前を持った神道師であり俳人曾良ではない。岩波庄右衛門正字は幕府巡検使として壱岐で客死したのである。
古典に学ぶ (96)源氏物語2021年7月号
2021年7月1日 古典に学ぶ
『源氏物語』の密通と「病」・朧月夜と「病」① 『源氏物語』の重要なテーマの一つに不義密通があるが、前回迄の藤壺や朧月夜、そして女三の宮といった、重要な女君たちの密通には必ず病が不可欠な要素としてかかわっている。
韓の俳諧(29)2021年7月号
2021年7月1日 韓の俳諧
『京城日報』には、いろんな形で俳句が載っているが、明治から大正にかけて江戸川会という句会があったことが、僅かな痕跡からわかる。江戸川とはソウルの韓江のこと。子規とも交流のあった中村鳥堂が、送別句会を開き記事を京城日報に載せた。
はいかい漫遊漫歩(162)(163)2021年7月号
2021年7月1日 はいかい漫遊漫歩
芸人ピース又吉こと芥川賞作家又吉直樹は、俳人堀本裕樹との共著『芸人と俳人』(集英社刊)の「まえがき」に書く。〈子供の頃から、俳句に対する憧れはあったものの、どこか恐ろしいという印象があり、なかなか手を出せないでいた。なにが恐ろしかったかというと、難しくて解らないことが恐ろしかった。…「定型ってなんやろう?」「季語ってなんやろう?」「や、かな、けり、って呪文かな?」という調子で、とにかく俳句が怖かったのである。〉 東京駅は2014年12月20日に開業100周年を迎えた。国鉄が6旅客鉄道会社と1貨物鉄道会社に分割、民営化されたJRは、2022年春に35年の歴史を刻む。大改革の陰で人知れず“職業往来”から消えて行ったのが赤帽。