はいかい漫遊漫歩(220)(221)2023年12月号
2023年12月1日 はいかい漫遊漫歩
映画『男はつらいよ フーテンの寅』シリーズで“フーテンの寅 ”ことテキヤの車寅次郎を演じた国民栄誉賞俳優、渥美清は、「風天」の俳号で〈 お遍路が一列に行く虹の中 〉〈 赤とんぼじっとしたまま明日どうする 〉〈 やはらかく浴衣着る女(ひと)のび熱かな 〉などの佳句を遺した俳人でもあった。 元テキヤの俳人、正道寺宏一は、紙芝居『黄金バット』の作者で、風俗考証家、評論家、加太こうじさんと旧制の高等小学校時代の同級生だった。加太さんが1985年に上梓した『街のエリート聞き書き集 名もなく すがしく したたかに』(筑摩書房刊)から引く。
韓の俳諧(58)2023年12月号
2023年12月1日 韓の俳諧
『石楠』の臼田亞浪が『朝鮮公論』の俳壇の選者を、1925年7月号から担当したが、当時の『石楠』の雑詠欄に韓半島から、筒井樹九路と相澤草水の2名が投句していた。また京城に移住した庄司鶴仙が、京城に『石楠』の支部を作ることになった。
「俳句文法」入門 (58) 2023年12月号
2023年12月1日 俳句文法
文中にあって、活用語に付き、接続詞のように上下の文節をつなぐ助詞を接続助詞という。順接、逆接、単純接続の三つがある。次は順接の仮定条件を表す接続助詞である。
「日本酒のこと」(36) 2023年12月号
2023年12月1日 日本酒のこと
日本酒が我が国の文化伝統の重要な一翼を担っていることは当然のこととして、私が執筆に際して心掛けたことの第一は、昨今の日本酒離れの大きな原因である日本酒に関する誤解や偏見を正すとともに、日本酒の急速な進化についての正しい知識と情報を提供することです。その二は、日本酒造りの環境が杜氏の多様化や清酒酵母菌の開発競争等の技術革新により大きく変化している実情を知ってもらうことです。その三は、日本酒の種類の多様性と同時に飲み方や味わい方も多様であることを認識してもらい、一人でも多くの方に日本酒ファンになってもらうことです。
古典に学ぶ (124)源氏物語2023年11月号
2023年11月1日 古典に学ぶ
「病」と「死」を物語はどう描いたか⑧ 葵上④ 葵巻後半は、源氏を中心に相戦う女性の恨みの現れとしての生霊の妖しい物語である。
はいかい漫遊漫歩(218)(219)2023年11月号
2023年11月1日 はいかい漫遊漫歩
人気テレビ番組「プレバト!!」(MBS/TBS系)の初代俳句永世名人の俳優、梅沢富美男さんの表題の初句集『一人十色』(ヨシモトブックス刊)が、2023年4月の初版発売から2か月足らずで4刷となる人気ぶり。
韓の俳諧(57)2023年11月号
2023年11月1日 韓の俳諧
雑誌『朝鮮公論』の俳壇は、青木静軒が選者をしていた時には安定していたが、その後は選者が頻繁に代わったり、休載となったりした。1925年7月号から、突然に臼田亞浪選となった。これにより、韓半島に『石楠』の俳人が増え、支部もできた。韓国の俳壇史においても、『石楠』の歴史においてもこれは無視すべきではない。