曾良を尋ねて(117) 2019年5月号
2019年5月1日 曾良を尋ねて
芭蕉がいつか世に出したいと兄の松尾半左衛門に託した「奥の細道」の原本でもある素龍の墨書は現在敦賀市新道野の西村家に秘蔵されており国の重要無形文化財に指定されている。
枕草子のおもしろさを読む(24)2019年5月号
2019年5月1日 古典に学ぶ
親の決めた男と結婚し、その男の出世によって我が身の社会的地位も上がり、経済的にも恵まれ、幸福に暮らす。勝手な恋愛沙汰や結婚後の浮気もしないで、夫の女性関係は当然のこととして、大目に見て、家を治め、奥方として尊敬される。そういうあり方を清少納言は、「えせざいはひ」(幸いに見えて実は本当の幸いではないもの)と決めつける。
はいかい漫遊漫歩(110)(111)2019年5月号
2019年5月1日 はいかい漫遊漫歩
虚子曰「例句の伴はない新季語は未だ季語として認めるわけにはいかぬ。いゝ句の出来てゐる新季語はどしどし採用すべきである。歳時記は常に多少とも異変しつゝある。」
韓の俳諧(3)2019年5月号
2019年5月1日 韓の俳諧
【千代女の献上俳句(下)】千代女は献上句を通じて最も有名な閨秀俳人であった。また韓国でも知られていた。千代女は美濃派であったが、伊勢派でもあった。両派とも低俗とされていたが、近年美濃派の再評価がされている。千代女の復権が待たれる。
「俳句文法」入門 (3) 2019年5月号
2019年5月1日 俳句文法
助動詞「り」は助動詞「り」は、「あり」の転じた約語で、完了と存続の意味がある。完了は「…タ。…テシマッタ。…テシマウ」と訳す。存続は「…テイル。…テアル」と訳す。訳によって文法的意味は決定される。
自由時間 (70) 2019年4月号
2019年4月1日 自由時間
ドナルド・キーンさんが亡くなった。一月に誤嚥性肺炎を発症して入院していたが、容体が悪化、2月24日午前6時21分、心不全のため、養子のキーン誠己さん(浄瑠璃三味線奏者)に看取られて息を引き取った。96歳であった。
曾良を尋ねて(116) 2019年4月号
2019年4月1日 曾良を尋ねて
芭蕉は6月7月と大津と落柿舎とを頻繁に往復し「かるみ」を説く。6月8日に寿貞が亡くなり猪兵衛にまさ、おふうの後見を頼む。7月中旬から9月8日まで伊賀上野の実家に滞在後奈良に移る。大阪到着後より健康を害したが1週間の内3回句座をもうけ作句に執着した。しかし9月29日より病状悪化、10月12日多くの門人達に看取られ芭蕉は51歳の生涯を終えた。