2016年6月(通巻443号)
俳句時事(170) 作句の現場 「山葵の花」2016年6月号
山葵の花は夏の季語だが、実際に咲き出すのは三月の終り頃からである。春の寒さの残る山裾や渓流に開いた四弁の花は、いかにも清々しい。 山葵の学名は、Wasabia・Japonicaという日本名を持つ日本独特のspiceである。この野生の山葵は古くから海外でも上流社会の人に香辛料として珍重されて来たようだ。
伊勢物語のおもしろさを読む (23) 2016年6月号
2016年6月7日 古典に学ぶ
東国章段の後日段 むかし、男、すずろに陸 みち 奥の国までまどひいにけり。京に思ふ人にいひやる。浪間より見ゆる小島のはまびさし久しくなりぬ君にあひ見で
衣の歳時記 (75) 2016年6月号
─夏シャツ・開襟シャツ ─ 梅雨入りとなる六月。暦の上では二十四節気の芒種から夏至へと進む。芒種とは芒のぎのある穀物を播く時期という意で、農村では田植の風景が広がる。モンスーン地帯特有の高温多湿の季節が始まる。
はいかい漫遊漫歩(40) (41) 2016年6月号
2016年7月2日 はいかい漫遊漫歩
コラム「はいかい漫遊漫歩」 松谷富彦 第40話 紅葉燃ゆ旅立つ朝の空(くう)や寂 寂聴 1973年、天台宗東北大本山中尊寺で大僧正、今春聴(作家、今東光)を師僧に得度した作家、瀬戸内晴美は、法名を師 …