はいかい漫遊漫歩(180)(181)2022年4月号
2022年4月1日 はいかい漫遊漫歩
コロナ禍で密になるのを自粛中の春耕同人句会ネット句会で兼題への気になる投句が並んだので書く。いずれも季語「白魚」(しらうお)=キュウリウオ目シラウオ科=の兼題に対して、季語ではないスズキ目ハゼ科の白魚(素魚 しろうお)、異季語の白子(しらす=イカナゴ、ウナギ、イワシ、アユ、ニシンなどの稚魚の総称)との混同が明らかな誤詠句と言える。 鯔(ぼら)など海面(水面)高く跳ね上がる海魚、川魚はいても、空中をある時間飛び続ける魚は、現在知られている限り飛魚だけ。 その飛行テクニックだが、水面すれすれを加速して泳ぐことからスタート。フルスピードに達すると体を浮かし、発達した胸びれを左右に広げて水上滑走、頃合いを図り、尾びれと腹びれ(尻びれ)で水を強く蹴って空中へ。
韓の俳諧(38)2022年4月号
2022年4月1日 韓の俳諧
鏡城南門外の田村小重郎(風見坊玉龍)が編集兼発行者した『蕉禅世界』は、韓半島の東北の拠点に進出した日本人の俳誌だった。雑詠欄には、長野からの投句もあったが、主に、韓半島の俳人が投句し、上位には、色紙や短冊が贈られた。
「日本酒のこと」(16) 2022年4月号
2022年4月1日 日本酒のこと
既に何度も触れましたが特定名称酒である「純米酒」とラベルに表示するには、酒税法に定めた基準を満たす必要があります。その基準の一つに精米歩合(玄米を削り残った米の割合)があり、特別純米酒だと60%、純米大吟醸酒だと50%と定められています。しかし、純米酒にはこの精米歩合の基準がありません。
古典に学ぶ (104)源氏物語2022年3月号
2022年3月1日 古典に学ぶ
柏木の病と死⑥ 柏木への怒り 源氏は、柏木が女三宮と密通したことを知って激怒した。朱雀院の御賀の試楽が六条院で催されたあと、源氏は酔ったふりをして、柏木に痛烈な皮肉を浴びせかけた。
はいかい漫遊漫歩(178)(179)2022年3月号
2022年3月1日 はいかい漫遊漫歩
寛文4年(1664)、伊勢山田の神官、秦師貞の娘として生まれた園女(そのめ)は、医師の斯波渭川(初号一有)と結婚。俳人でもあった夫、渭川の影響で俳句を始め、芭蕉が伊勢を訪れた貞享5年(1688)に夫婦で弟子入りし、本格的に活動をスタートさせた。 『暢気眼鏡』や『虫のいろいろ』など数多くの私小説作品を残した文化勲章作家、尾崎一雄が逝って39年が経つ。戦後期、『聖ヨハネ病院にて』などの “病妻”もので知られる上林暁と人気を二分する私小説(心境小説)作家であり、こちらは年若い妻、松枝との日々を描いた“芳兵衛もの”で読者を集めた。
「俳句文法」入門 (37) 2022年3月号
2022年3月1日 俳句文法
(1)助動詞「むず」は「むとす」の約語で「む」と同じ意味で使われる。「む」を強めた言い方。(2)「らむ」は現在推量の助動詞、らんとも。四段型に活用。○○らむ・らむ・らめ○。終止形に接続。