春耕俳句会は、有季定型の俳句と和楽の心で自然と人間の中に新しい美を探求します。第五感・第六感を働かせた俳句作りを心がけます。
連載記事 - 月刊俳句雑誌「春耕」掲載

はいかい漫遊漫歩(140)(141)2020年8月号

僕(註:歌人、岡野弘彦)は丸谷さんに生前に墓碑銘を書くことを頼まれたのですが、表が俳号の「玩亭墓」だけなんですよ。びっくりしました。ここまで丸谷さんは俳句に徹していたのかと。 1970年、詩人の安東次男さんが大岡信さんと丸谷さんという、当時の若手の二人に歌仙を巻こうと声をかけて、歌仙の会が始まりました。安東さんの没後に岡野さんが入られ、大岡さんが体調を崩されて僕(註:俳人、長谷川櫂)が入って、丸谷さんが亡くなって三浦雅士さんが加わり、今も月1回の頻度で続いています。

「俳句文法」入門 (18) 2020年8月号

待ち人来噴水にもう倦きる頃   杉阪大和 口語を全て文語に直すのではなく原作者の意図に添う事も大事か。

韓の俳諧(18)2020年8月号

日清戦争を題材とする俳句は、さいたま市の指扇氷川神社に、「従軍賀章」という題の明治26年(1893)の俳額にある。『俳諧山吹叢誌』にも多数あるが、大部分が戦争を体験していない机上の俳句だ。しかし、大供太郎の陸軍少佐が父母庵雪山の配合で「國廼光」として投稿した句は、実戦を元としている。子規は日清戦争に従軍したが、すぐに終戦となりかえって病を悪化させて帰国した。そこで漱石の下宿に厄介になり、新聞に「俳諧大要」を連載した。

四季の野鳥 (5) 2020年8月号

秋を代表する鳥、雁には「がん」と「かりがね」の2種類の呼び方がある。色々調べると、江戸時代にがんは一般呼称、かり、かりがねは雅語として扱われるようになった。

自由時間 (85) 2020年7月号

いま、アルベール・カミュの『ペスト』が読まれている。ペスト菌を新型コロナウイルスに置き換えると、世界各地の現状を描写したかと錯覚するほどだ。明けても暮れても新型コロナウイルスのニュースがあふれている今、思い出した作品がある。トーマス・マンの『ヴェニスに死す』である。『ヴェニスに死す』に登場する疫病はコレラである。

曾良を尋ねて(131) 2020年7月号

将軍交代による新しい方策が実行されているか否かの今回の巡見使の一行は3月1日に江戸を出立し筑前の国門司に到着したのは4月2日であった。すでに60を越えていた岩波庄左衛門正字にとっては厳しい旅となった。福岡藩での調査は順調に進んだが、対馬藩においては長年常態化していた密貿易に対する詮議役として岩波御用人があたることとなった。

鑑賞 「現代の俳句」(146)2020年7月号

鮎舟の新艘に酒注ぎけり 大高松竹

古典に学ぶ (84)源氏物語2020年7月号

帝と桐壺更衣の今生の別れの場面のまなざし① 愛の証である源氏誕生から3歳の春、その袴着が終わった途端、『源氏物語』は早急に桐壺更衣の死を描き出す。その場面は、何度読んでも緊迫した状況と二人の愛情の吐露が見事に融和し、紫式部の稀有な才能を思い知らされる。

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