春耕俳句会は、有季定型の俳句と和楽の心で自然と人間の中に新しい美を探求します。第五感・第六感を働かせた俳句作りを心がけます。
連載記事 - 月刊俳句雑誌「春耕」掲載

俳句文法

「俳句文法」入門 (33) 2021年11月号

「荒海や佐渡に横たふ天の河」「横たふ」はすっと心に入って意味も鮮明だ。文意上は分かる。が文法上は破格と思う。横たふに四段活用はない。

「俳句文法」入門 (32) 2021年10月号

俳句では 文語か口語か、その混合語かは永遠の問題だろう。文語のもつ格調、深みと落ちつき、口語のもつ親しさ、軽みと分かりやすさ、それらをブレンドして美しい日本語の文体を生み出す、のが理想だろう。

「俳句文法」入門 (31) 2021年9月号

〈荒海や佐渡に横たふ天の河〉 〈「横たふ」は文法的に「横たはる」でなければならない。しかし、これはこの頃の一種の破格な用法である。〉とは旺文社の古語辞典(昭和41年3月1日重版)の見解。

「俳句文法」入門 (30) 2021年8月号

推量の助動詞「む」(だろう、と訳す)は、そのほかに意志・決意、勧誘・命令、適当・当然、希望・願望、婉曲・仮想、反語の意を表す。

「俳句文法」入門 (29) 2021年7月号

過去の助動詞「けり」は、過去「…た。…ていた」と訳す。過去の事実が存続「…ている」と訳す。

「俳句文法」入門 (28) 2021年6月号

「き」は「…た」と訳し、自分が過去に経験した事実を回想する意を第一義に示す。同じように過去に確かにあった事実を述べる意を表す。 完了・存続「…た。…ている」の意を表す。

「俳句文法」入門 (27) 2021年5月号

完了の訳は「…タ、…テシマッタ、テシマウ」等。時に存続「…テイル、…テアル」に訳す方がいい時もある。つ・ぬについては確述・強意「キット…スル、タシカニ…ダ」と訳すとよいばあいがある。つべし、ぬべし、のようにべしと接続する時である。 鶏頭の十四五本もありぬべし正岡子規

「俳句文法」入門 (26) 2021年4月号

過去を表す助動詞「き」は一般に連用形に付き「せ・〇・き・し・しか・〇」と活用。連体形「し」が頻用。「き」は過去のみに非ず。完了存続詠嘆余情等あり。

「俳句文法」入門 (25) 2021年3月号

接続助詞「て」にラ変動詞「あり」の約が「たり」。存続(…ている。…てある。)と完了(…た。…てしまう。…てしまった)の意味がある。

「俳句文法」入門 (24) 2021年2月号

起きて見つ寝て見つ蚊帳のひろさかな  加賀千代女

「俳句文法」入門 (23) 2021年1月号

完了の助動詞「ぬ」は〈な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね〉とナ変(死ぬ・往ぬ)型に活用する。完了の訳は「…た。てしまった。てしまう」。他に存続(ている、てある、と訳す)の意味がある。また確述・強調(確かに…する。きっと…する、と訳す)の意味もある。

「俳句文法」入門 (22) 2020年12月号

紅葉せる麓の水車音軽し 持田良枝 もみぢは上二段活用もみづの連用形名詞。名詞に「す」が付くと複合動詞のサ変となる。もみぢせ、はその未然形。る、は、りの連体形。

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