春耕俳句会は、有季定型の俳句と和楽の心で自然と人間の中に新しい美を探求します。第五感・第六感を働かせた俳句作りを心がけます。
連載記事 - 月刊俳句雑誌「春耕」掲載

俳句文法

「俳句文法」入門 (22) 2020年12月号

紅葉せる麓の水車音軽し 持田良枝 もみぢは上二段活用もみづの連用形名詞。名詞に「す」が付くと複合動詞のサ変となる。もみぢせ、はその未然形。る、は、りの連体形。

「俳句文法」入門 (21) 2020年11月号

「り」の誤用例は下二段活用に多い。現代語の感覚で読むと間違いとは思えないからであろう。出あった例をあげる。「覚えり」「駆けり」「詣でり」「上げり」「集めり」「生まれり」「植ゑり」「混ぜり」「比べり」「食べり」

「俳句文法」入門 (20) 2020年10月号

助動詞「り」は「あり」の転じた約語。本来存続の意味で「…ている。…てある」と訳す。完了の意味(…た。…てしまう、と訳す)に用いられることもある。 古文では四段活用とサ変の動詞にしか付かない。

「俳句文法」入門 (19) 2020年9月号

しづまるという語は 古語ではしづまる。静まるに下二段活用がないのと同様に静もるにも下二段活用はないであろう。「静もる」の口語的な連体形は静もれる、であろう。「鎮もるる」「静もるる」の用例は 文語文法にはなく、口語文法にもない。

「俳句文法」入門 (18) 2020年8月号

待ち人来噴水にもう倦きる頃   杉阪大和 口語を全て文語に直すのではなく原作者の意図に添う事も大事か。

「俳句文法」入門 (17) 2020年7月号

《静かにあり→静かなり》《堂々とあり→堂々たり》前者をナリ活用、後者をタリ活用という。

「俳句文法」入門 (16) 2020年6月号

シク活用の例語には、悪(あ)し・あやし・いみじ・いやし・美し・うれし・同じ・悲し・苦し・久し・よろし・をかし・惜(を)し等がある。じの言い切りに注意。  芭蕉の句「こそ恋しけれ」は係結びの法則を踏まえたもの。

「俳句文法」入門 (15) 2020年5月号

「じ」で言い切る形容詞もあるので覚えておこう。特に「同じ」という語である。未然形から〈じく・じから〉と活用してゆく。これもシク活用という。

「俳句文法」入門 (14) 2020年4月号

形容詞とは自立語(単独で一文節を作る)で活用があり、述語となれる語のこと。状態・性質・感情を表す。「し」で言い切る。活用はク活用とシク活用とに区別する。

「俳句文法」入門 (13) 2020年3月号

あいうえの四段に活用するのが四段活用。い段のみが上一段活用。い・うの二段が上二段。え段のみが下一段。う・えの二段が下二段。サ行の三段に活用するのがサ変。カ行の三段がカ変。ナ行の四段がナ変。ラ行の四段がラ変。

「俳句文法」入門 (12) 2020年2月号

主に動詞の四段・ナ変・ラ変の活用に生じ、イ音便、ウ音便、撥音便、促音便の四つがある。口語化表現である。

「俳句文法」入門 (11) 2020年1月号

語尾がサ行のシスセの三音に活用する動詞をサ行変格活用という。また「弁ず」「重んず」等の複合動詞はザ行音になるがサ変と呼ぶ。

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