春耕俳句会は、有季定型の俳句と和楽の心で自然と人間の中に新しい美を探求します。第五感・第六感を働かせた俳句作りを心がけます。
連載記事 - 月刊俳句雑誌「春耕」掲載

古典に学ぶ

古典に学ぶ (112)源氏物語2022年11月号

「宇治十帖」物語の病と死⑦ 大君の病① 薫が八宮とかかわり始めてから三年ほどたった晩秋、宮が山寺に籠っている留守に宇治の山荘を訪れた薫は、思いがけずも有明月の光のもとで、琵琶と筝を合奏する姫君たちの幻想的なまでに美しい姿を垣間見た。

古典に学ぶ (111)源氏物語2022年10月号

「宇治十帖」物語の病と死⑥ 八宮の病と死 薫が宇治の山荘を訪ねた時、八宮は山寺での念仏会のために留守で、心寂しい姫君たちは、折からの月に興じて端近にいる。琵琶と琴を弾く美しい姉妹の姿を竹の透垣の戸を、少し押し開けて垣間見たのである。

古典に学ぶ (110)源氏物語2022年9月号

「宇治十帖」物語の病と死⑤ 八宮の病と死 薫は八宮を知り、三年程たった有明月の下、お忍びで宇治の八宮の山荘にそっと近づいて行くと、楽器の演奏が聞こえてきた。

古典に学ぶ (109)源氏物語2022年8月号

「宇治十帖」物語の病と死④ 八宮の病と死 「宇治十帖」の物語は、立場や外見を剝ぎ取られた、その人物の生のあり方に関心を寄せてい る。八宮も、薫も、浮舟も、うわべの、「仮装」の自分を脱ぎ捨て、本当の「自分」を求めて彷徨するのである。

古典に学ぶ (108)源氏物語2022年7月号

「宇治十帖」物語の病と死③ 八宮の病と死 物語は、この光源氏の政治的対立者である一人の宮の境遇から語り始められる。そして、その八宮の生き方も、光源氏とは対照的である。

古典に学ぶ (107)源氏物語2022年6月号

「宇治十帖」物語の病と死② 八宮の病と死 「橋姫」巻冒頭部に頻出する「世」という言葉について考えてみたい。

古典に学ぶ (106)源氏物語2022年5月号

「宇治十帖」物語の病と死① 「宇治十帖」という新しく書き継がれていった物語とはどのような物語なのであろうか。その冒頭は、不遇な「八宮(はちのみや)」というある親王の物語から始まる。

古典に学ぶ (105)源氏物語2022年4月号

柏木の病と師⑦ 人間の本質を描く物語 女三宮の方も、柏木との密通の結果、身籠った子の父をめぐり、光源氏に痛烈に皮肉られる。身の置き所のない思いで、やましさに震え、光源氏を怖れ続ける日々を送る。

古典に学ぶ (104)源氏物語2022年3月号

柏木の病と死⑥ 柏木への怒り 源氏は、柏木が女三宮と密通したことを知って激怒した。朱雀院の御賀の試楽が六条院で催されたあと、源氏は酔ったふりをして、柏木に痛烈な皮肉を浴びせかけた。

古典に学ぶ (103)源氏物語2022年2月号

柏木の病と死⑤ 夕霧の心情 柏木と同時に女三宮を垣間見することになった夕霧がまず何よりも先に気づいたのは、女三宮の美しさよりも、不用意にもその姿を男の目に晒すような宮の軽率さを非難しないではいられなかったのである。

古典に学ぶ (102)源氏物語2022年1月号

柏木の病と死④ 柏木の垣間見 また、この猫の登場は、女三宮の住む御殿の内部をあらわに見せる機会を柏木に与える役割を果たし、しかもあろうことか女三宮その人までをも見せてしまうのである。これが、のちに重大な事件を引き起こす原因となり、この場面での猫の役柄は非常に大きいと言わざるをえない。

古典に学ぶ (101)源氏物語2021年12月号

柏木の病と死死③ 柏木の懸想  蹴鞠の疲れを休めるふりをしながら、夕霧は女三宮の住まいの気配に耳をすまし、その気配を窺おうとする夕霧の企みは、柏木というもう一人の同調者を生み出してしまうのである。

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